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彼は小さな声で話し出した。
「えーと。普通、生年月日とか、名前とか言わないんですか?顔見ただけで分かるとか怖いんですけど……」
私はびっくりして、彼の顔をじっと見た。
「そうですね。普通はそう、聞きますね。あなたの後ろにあるものが私にはみえるから必要ない」
「え?」
私は立ち上がって、後ろを振り返った。周りをよく見るが何も見えない。
「落ち着いて。そういう意味じゃない。あまり深く考えないこと。私が話すことは意味があるようであなたにはわからないこともある」
彼はじっと私を見ながら話す。怖い。座らなければ良かったかもしれないとその時後悔した。
「まず。信じようと、信じまいとあなたの自由です。一応言っておきます。あなたには前世があり、その時も女性でした。時代は大分前です。いわゆる転生とは違いますが、あなたの前世の思いが強くてまた生まれ変わったのでしょう」
「え?私の前世が後ろに見えるとさっきは言ってたんですか?」
「そう。その通り」
ひー気持ち悪。やっぱり信じらんない。
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