新しい生活

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 私が川村さんの包帯を巻き直しているうちに、京介先生は次々と巡回していく。チャラいけど、腕はいいんだよね。あー、ホント残念な人。  巡回が終わり、戻ると見たことのない人がいた。後ろ姿。背広を着ている。  「あれ、藤野先生。あ、もしかしてこれから食事会ですか?」  京介先生が会釈している。  「京介君久しぶりだね。そうだ。お父さんに招かれてね。君は出ないのかい?」  「いやあ、僕は忙しいので遠慮しました。あーいう席は苦手で……」  「よく言うよ」  「先生こそすごい人気ですね。相変わらず.特定の人を作らないから余計ですよ。どこに行っても先生の噂を聞きますよ」  そうなんだ。割と若く見えるけど、ということはいくつなんだろ?  「かっこいいわよね、藤野先生。あれで三十五歳よ。独身だもんね」  「なかなか、なびいてこないって噂よ。藤野総合病院でも看護師が撃沈してるって話だもんね」    ふーん。そうなんだ。横顔しかみえてないけど、確かにかっこいい。  でも結構年よね。どうして結婚してないんだろう?  
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