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思い切って、母のカルテを見せてもらうか、病状について先生に聞こうと決心した。
仕事が忙しく、なかなか内科病棟に行く時間がとれなかったが、意を決して夜勤明けに内科へ行った。
そして、事情を内科の看護師長に話してみる。
すると、じっと考えていたが上の許可が必要だと言って、電話をかけにいった。
看護師長は戻ってくると、私を連れて院長室へ行く。
「え?どういうことですか?何故院長が関係あるんです?」
「詳しくは院長から聞いてちょうだい。じゃあ私はここで……」
そう言うと、看護師長はいなくなってしまった。
思い切って、院長室をノックする。
「どうぞ」
院長の低い声が聞こえた。
「失礼します」
私は思いきって院長室へ入った。
「細川さん。待ってましたよ、どうぞ」
院長はデスクを離れて、ソファー席へ移動した。私に前のソファにかけるよう、手を差し伸べる。
私は緊張しながら、座った。
「まず。何から話すべきかな……君のことは実は頼まれて最初からこちらでお預かりしたんだよ」
「え?どういう意味ですか?専門学校からということですか?」
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