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そう言って、叔母はドアへ向かっていった。
ゆっくり扉を開くとそこには壮齢の男性が立っていた。
「あかり。どうだ?」
「はい。丁度良かったです」
そう言うと、私の方を見て言った。
「紹介するわ。私の夫です」
隣の男性が私に近づいてきた。そしてにっこりする。か、かっこいい。まずい。ドキドキしてしまう。
「初めまして。藤野です。この病院の院長をしています。あなたの叔父にあたるので何でも言って下さいね」
私がドギマギしていると、叔母がクスッと笑った。
「あら、姪も私と同じ趣味らしいわね。あなたを見て赤くなってるわ。いやね、あなたったら若い子に色気を見せて……」
私はびっくりして、立ち上がった。
「す、すみません。初めまして。細川紫です。これから色々よろしくお願いします」
また、ぺこりと挨拶をする。これしか出来ない私。がっくり……。
「あれ、君どこかあかりに似ているね。目元かな?全体的な雰囲気が似ているんだ。血は争えないね。女の子は父方に似るというが、君に似るということは……大変だ。男の人にモテモテだろ?」
「は?」
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