ドールハウス課 ミニチュア課

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日差しが降り注ぐ穏やかな春の日 俺は、引っ越し屋さんでバイトを 始めた。 重い荷物を持つのもやってやれない事 は無いと応募して採用され 今日が初日 少し緊張していたのだが 会社の多分一番偉い人に声を掛けられ ビクッと肩が上がる。 「そんなに緊張しなくて大丈夫だからね! え~と 小山内(おさない)君 だっけ? 趣味は確かプラモデル作り だっけ?」 「は はい!」偉い人が俺をリラックスさせる為だろうか当たり触り無い 趣味の話しから始めてくれた。 そうして優しく会社の中を案内して くれる。 会社の中を見ると小さな段ボール箱が いくつも積まれていた。 (あれは何だろう?)疑問に思い 偉い人に聞いてみると 「ああ あれは家具だよ!」 家具?それにしては、随分と小さい様な それについても聞いてみると.... 「ああ あれは、小人用の家具だからね!」と偉い人があっけらかんと 言った。 (小人?)いきなりファンタジー用語 みたいな単語が飛び出し頭の中が混乱する。 すると偉い人が俺の呆けた様な 顔を見てその辺りの事も説明して くれたけど 俺は、何が何だか分からなかった。 新手の詐欺かと思い一瞬バイト初日で 辞めようかと思いかけた。 偉い人の話を要約すると 何でも  俺達が住んでるこの世界には、 普段隠れていて見掛け無いだけで 小さい種族が隠れる様に住んで いると言う それこそ偉い人が今言った小人だの 都市伝説で一時期ニュースにも なった 小さいおじさんだの 他にも妖精だのなんだのゲームの設定でしかお目に掛かった事が無い種族が たくさん居るらしい 俄(にわか)には、信じがたい話だが 慣れてきたら俺にもお客様を紹介すると言うので、その時までこの疑問は 保留にする事にする。
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