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12月の末。
私は人を殺した。
小規模な村で、友人を、川に落としたのだ、特に意味はない。
友人を落としてから、少し焦った様に、息を荒くし、ぐしゃぐしゃになるぐらいに、泣いて、泣きながら、通りすがりの男にこう言った、
『友人が、川に落ちて、しまい…」
と、途切れ途切れに、縋り付く様に、軽く、叫びながら、そう、言った。
そうすると、男は川に飛び込み、私の友人を探した、そこまで流れていなかったが、男は目が悪かった様で、見つけるのに少し多くの時間がかかってしまった。
友人は、死んだ。そう、知っていても、彼の葬式には行かなかった。
2月中旬。
私はひとりの女性と死のうとした。
なのに、私だけ、生きてしまった、彼女は幸せそうだった。私を置いて行ったのに、彼女だけは、幸せそうだった。
4月下旬。
自殺をしようとした。未遂で終わってしまった。人に助けられたのだ、最も、私は不幸なのかもしれない。
一つ、真実がある、でも、嘘も存在する。
変な話をしようじゃない。
私が、生まれた時の話だ。
その時は、曇りだったから、晴れだったか。
あまり覚えていない、人の記憶力は、本当に、ないのだな。雨上がりだっただろうか。
一輪の花が私の庭に咲いていた、私は、その花をじっと見つめて、それから、根の近くを持ち、花を引きちぎった。ぶちっと、いう、音が鳴り、花は、叫びながら、苦しそうな声で、人殺しだ、と、言った。
〈了〉
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