バツゲーム

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 教室の扉を開くと早川、田中、井上くんが一斉にこちらを向く。繋がれた手を見て、良かったな、とバシバシ背中を叩いてきた。嬉しいけど痛い。 「中森も日下部も好きあってるのに本人たち気付いてないし、見ていてもどかしくて、何としてでも中森に告白させてくっつけてやる! って俺も必死だったんだよ。ごめんな、日下部が誤解してるってすぐに気付けなくて」 「いや、早川が日下部くんが俺を好きって教えてくれたら良かったんじゃないの?」 「本人の許可取ってないのに言えるわけないだろ」  それもそうだな、と納得した。 「誠司良かったな。昨日なんて、僕は好きな子に嫌われているんだ、ってベソベソしてたから」 「やめて! 言わないで!」  日下部くんは井上くんの口を手で押さえた。これ以上喋らせないように。 「日下部くん、ごめんね。罰ゲームじゃなくて、俺が普通に告白していたら嫌な思いさせなかったんだよね」 「ううん、僕もよく確認もしないでごめんね。これからは誤解を生まないようにいっぱい話そ」 「うん。これからよろしくね」
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