第二話「私が君に言いたかったこと」

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「たしかに。青髪の生徒が一人だけ不審者が出たって言ってた教室に戻って行っていたが……まさか!」 「そう。君が殺そうとしているのは、その生徒さんなんだよ」 アラタが慌てて彼女に聞いた。 「でも、その子はなんで不審者が出たって言われて、犯人の元に向かったんだ?」 「そんなの本人に聞かないとわかんないじゃん笑。 でも、私の予想は…犯人に心当たりがあって止めようとしてたんじゃないかな?って思うよ」 彼女がニコニコしながら推理をし始めた。 (確かに、僕が前からその子に、犯行を匂わせておけば、そういった事も可能なのか。という事は、僕は前からその女の子と交友があったのか?) アラタが真剣な顔で考え事をしていると…… 「はい!そろそろ考察タイムしゅうりょ〜う。それじゃあ次はその女の子の殺された直後に行こうか〜」 彼女が思考を遮ってきた。本当に空気の読めないやつだなと思ったが、とりあえず、言われた通りについていくことにした。 ついていく途中で、僕が気になった事を質問した。 「ところで、殺される前には行けないのか?」 二人の関係を知りたい僕にとって、重要なのは殺される前にしたであろう会話なのだが… アラタが彼女に聞いてみた。 「残念ながら。私が "殺された後" しか見てないから、その前は見れないの〜」 彼女が手を振りながら、拒否するように言った。 「そうか。ここは記憶の世界だったな。見てないものは見れないんだったっけ」 僕の中で、だんだんと彼女の評価が下がっていく。 関係がわからないままになることに、僕は頭を抱えた。 (どこかに手がかりになることは無いのかな?) アラタが顎に手を当て考えていた。 そんなことをしている内に、目的地についた。 「じゃあ、教室に入るから、しっかりと見ときなよ〜」 僕たちは、そのまま教室へと入っていった。
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