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「さっき僕が "お兄ちゃん" と言ってたのを見るに、この写真は僕の妹のようだな。確かにそっくりだ。…でも、ここに居るってことは、この子はもう死んでいるんだな……」
「私もこの子については何も知らないんだよね〜。溺愛していたってことぐらいしか」
シスコンだったんだね〜と彼女が笑っている
他に何か無いかと仏壇を見ていると、ある点が気になった。
「両親の写真は無いんだな」
「たしかにね〜、まだ死んでないだけなんじゃない?」
彼女は適当に言ってるけど、確かにそれもあり得る。
(もしそうなら、何故僕たちは両親と離れて生活しているんだ?虐待か?)
色々考えたが、答えの出ない事に時間は使えない。早く他を探そう。
仏壇を細かく見ていったが、他に気になった所は無かった。
「ここから得られる事はもう何も無いな。他の場所も探そう。」
「どうぞどうぞ、気になる所はどんどん質問していいよ」
その言葉を聞いて、いつもよりもずいぶん控えめだなと思った。
どうやら、今の彼女はあくまでアドバイザーとして動くつもりらしい。もしかしたら、僕の機嫌を損ねないように慎重になっているだけかもしれないが。
「次はキッチンでも見てみるか」
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