0人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「あるに決まっているだろ」
アラタの内心としては、冤罪をかけられたようなものであり、真実を知りたいというのは当然の行為であった。
「どうしたら分かるんだ?映像でもあるのか?」
どうせ確かな情報は得られないのだろうとアラタは考えていた。
「まあ〜そんな感じかな?天界の人はね?見てきたものを誰かと共有したり、見ている人の考えていることがわかったりするの。それを使えば、今の君に、私が見てきた生前の君を見せることができるのだよね〜」
衝撃だった。まさか能力なんてものが、あるなんて考えてもいなかった。
アラタは素直に感心していた。それと同時に、その能力を使いたいとも考えていた。
「……決めた」
アラタが女性の方を見て頭を下げ、手を差し出した。
「お願いだ!教えてほしい!そして知りたい、死ぬ前の、殺人鬼だったという僕のことを!」
そう言うと、女性がにっこりと笑って手を繋いできた。
「お〜け〜。それじゃあ…… "絶対に変えてはいけない過去" に行こうか」
女性は不気味に笑った。
そう言った瞬間二人は光に包まれ消えていった。
一人残った神様は
(我はずっと空気だったな)
そう思った。
最初のコメントを投稿しよう!