第二話「私が君に言いたかったこと」

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中に入ると、すでに来ていた生徒たちが大勢席に座っていた。だがその中にアラタの姿は見えなかった。 「おい、僕がどこにもいないんだが?どういうことだ?」 「そりゃ今はいないさ。まあ待ってなって」 (ん?よくわからないが少し待ってみるか) そう思い、周りを見回したアラタは、座っているある一人の男子生徒に視線を向けた。 卒業生のいる席に座る白髪の男。整った見た目に反し、目は虚ろになっており、まるで、死人のような形相をしていた。ただ、ネクタイの辺りをさすっている辺り、本当に死んでいるわけではないということがわかり、安堵した。 アラタが白髪の男をじっくり観察していると、その男と目があった。 (あれ?目があった?) その時、頭にノイズ音が鳴り、瞬きをした直後、アラタの右腕が消えていた。そして同時に、その腕と心臓辺りから血が吹き出してきた。
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