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入れ替わり立ち代わり
ぶつかった相手と入れ替わる物語なんて
散々使い古されているが、私は一味違う。
だって相手は電車なのだから。
重い車体を軋ませ、レールを走る日々。
一体いつまで続くのか。
しかし物語は、あっけなく幕を閉じてしまった。
うつろな目をしたおっさんが横から飛び込んできたせいだ。
人身事故が絶えない路線で、
いままで電車と入れ替わっていたのは、私だけではなかったらしい。
遺体は速やかに回収され、車輪は再び回り始めるのだった。
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