消えなかった魔法

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消えなかった魔法

「私にはアリバイがあります」 容疑者の女性が声高に叫んだ。 「その日は一晩中、自宅におりました。 それに華やかなドレスも持ち合わせておりません。 こんな私がどうして出席できましょう」 とある舞踏会の主催者が殺害された事件。 逮捕の決め手となったのは、 凶器とみられる血痕つきのガラスの靴だった。 「時間を過ぎたら、全て消えると聞いてたのに、 まさか、こんなところで足がつくなんて」 容疑者の女性は、忌々しげにつぶやいた。
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