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ハッピーエンドのその先に
「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰」
「それは貴女の娘です」
結婚祝いで持たされた継母の鏡は正直だ。
一点の曇りのない答えに胸を撫でおろす。
娘は元々容姿に恵まれてはいなかった。
それゆえ、腕の立つ医師を極秘に集め、
嫌がる娘に幾度となくメスを入れさせた。
これは母の愛だと言いくるめて。
「お母様、どうぞ御ひとつ召し上がれ」
愛娘が差し出した答えに胸が詰まる。
なぜならそれが毒林檎だと、
私は過去の経験で知っていたから。
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