リサの衝撃 フランSide

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 新興勢力のドアルーカは、新国でありながら破竹の勢いで海の覇権を握ろうとしていた。もはや海の新たな覇者と言える状況だ。我が国は完全にカタツムリのような歩みで出遅れている。  可愛らしい黄色い花を咲かせているメカルドニアの上にいるてんとう虫を見ながら「祖父のように貿易商人を自分がすることになったら」と私はぼーっと考えた。  ――海を航海する旅はどうなのだろう?  ――馬車で7時間進むと海辺の港について、そこから海に船で出て3日航海したら、辺境の国に港に着くとかかしら?  今まで考えてみたこともなかった。でも、ヘンリード校は海図も座標の見方も艦隊の編成も私たちに教えた。女王陛下は特殊能力を有する者たちで艦隊の乗組員のチームを作ろうとしているのだろうか。  ――海賊のように?祖父のように私が海に出て行くの?ドアルーカのように我が国が海上の覇権を握るために。  私は元婚約者ミカエルのことを頭から追い出そうと、そんなことを考え始めた。 「エヴァ、リサと大事な話があるんだ」  私の横で湯に浸かれることに対する興奮を語っていたエヴァに、馬番ジョージがそんなことを言っている声がした。  私はハッとして顔を上げた。
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