リサの衝撃 フランSide

6/7

353人が本棚に入れています
本棚に追加
/373ページ
 私は彼の顔を見上げた。夕暮れの赤みのある日差しが彼の頬をピンクに染めあげていて、彼の瞳は夕日の木漏れ日を受けて煌めいていた。太陽が地に落ちようとしているその瞬間、フォーチェスター城の何もかもが美しさに染まっている中で、彼のくしゃくしゃの金髪ですら彼の周りに光を放つフレームとなり、私は彼に強烈に惹かれた。引き込まれそうだった。  私は手を差し伸べている彼の手を握って、ふらふらと立ち上がった。 「今、分かったわ。私に起きたことがリサに起きたのよ。そうだわ」  私は同じ女性として、同じ血筋として、リサの心の動きがつかめたと思った。私が馬番ジョージに惹かれたように、リサはミカエルに落ちたのだ。 「え?」  聞き返す馬番のジョージに、私は答えた。 「恋に落ちたのよ。おそらく正真正銘の本物の恋よ。だから、リサも不可抗力で正気を失ったのね。ダメだけどわかるわ。リサと話すわ」 「そうか?」  馬番ジョージは私の手をまだ握ったままで、私の説明にぽかんとした表情で私を見つめていた。 「でも、なぜあなたはこの入れ替わりを知っているのかしら?まさか……まさか女王陛下も知っていると言わないでしょうね?」
/373ページ

最初のコメントを投稿しよう!

353人が本棚に入れています
本棚に追加