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私はベッドの中から星を見上げながら、自分に言い聞かせた。ロベールベルク公爵邸の庭は静まり返っていた。広大な星空を見つめながら、私は唇を震わせて「私はやり抜くわ」と自分に言い聞かせた。
――時間さえ戻れば、入れ替わらずに私一人でもミカエルの盗みを防いで、母を守れるのではないかしら?入れ替わる必要はある?
眠る瞬間、私はその疑問を抱いたが、私はそのまま泣き疲れて眠ってしまった。疑問は永久に後に残された。私は目が覚めたら、二週間前に戻っていて、寝付く前に感じた疑問のことなど忘れてしまっていたのだから。
朝になって目覚めると、私はすぐに母の寝室まで走った。母が公爵邸内にいるのか確かめるのだ。静まり返ったロベールベルク公爵邸で、私一人が動いているようだった。廊下をそっと進み、母の寝室のドアを開けて、私は部屋の中に滑り込んだ。おそるおそる母の寝台まで近づいた。
――あっ!お母様っ!
母は穏やかな表情で寝入っていた。3日ぶりに見る母はいつもの母だった。私は確かに時間が巻き戻っていると確信した。リサ・アン・ロベールベルクは特殊能力を発揮することに成功したようだ。
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