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ダニーは身支度を整えて旅行鞄を持った私を見て目を見張った。私は両腕に石壺とパンの入ったカゴが2つ持っている。
「急なのだけれど、女王陛下がこの度設立したアイビーベリー校の友人を訪ねることになったの。お昼には戻りたいから、朝早く出発したいの。ごめんなさいね、ダニー」
私はにこやかにダニーに告げた。
「そのお荷物は?」
ダニーは私のパンパンに膨らんだ鞄をいぶかしげに見つめた。
「ほら、女王陛下が設立したアイビーベリー校は、貧しい家の子息が対象でしょう?友人もあまり物を持たないので、分けてあげようと思って荷物にしたの」
「おぉ、そうでございましたか。すぐに支度をしますので、少々お待ちくださいませ」
ダニーは素早く身支度を整えると、玄関の扉をしっかり閉めて、馬車のしまってある馬屋の方に私を案内した。荷物はダニーが持ってくれた。私は水の石壺とミルクの石壺とパンの入ったカゴをダニーに渡した。
「朝ごはんと昼ごはんの分よ」
私は自分用のミルク壺とパンの入ったカゴを抱えて、ダニーの後ろから急いでついて行った。
「お昼にはアイビーベリー校につけるかしら?」
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