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「皆、火事は間違いだって」
リアが、昇降口の影から出て来て言った。背中にデッキブラシを隠していた。
「え~?!」
「なんだあ」
「リア様、教えて頂いてありがとうございます!」
不満と安堵の声が飛び交う。
男から逃げ延びた小柄生徒が、リアの持つデッキブラシに気が付いた。小柄生徒はリアがデッキブラシで何処か固い所を打ち鳴らして火事を装い、助けてくれたのだと悟った。
リアが、小柄生徒の視線に気が付く。
「火事デマだって」
リアが、言った。
小柄生徒は、小さく微笑んだ。
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