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「グリヴァス様」
苛立ちで顔を歪めていたグリヴァスの耳に、リアの声が届いた。グリヴァスが不審気に振り向くと、リアは片膝を地面について、頭を垂れた。
四魔王子が、目を見開く。
リアは、顔を伏せたまま、言う。
「鱗を手に入れることは出来ませんでしたが、私はグリヴァス様に忠誠を誓っておりますので、これからも、グリヴァス様に尽くしたく存じます」
グリヴァスは、最初こそ驚いていたが、すぐにニヤリとし、
「そうだよな。お前は俺の僕だ」
「はい。グリヴァス様」
「また遊ぼうな」
リアは、顔を上げた。微笑んで言う。
「はい、グリヴァス様」
グリヴァスは、満足気に笑み、ヴォーグルたちの方に顔を向ける。
「行こうぜ」
跪いたリアと、グラネッタを残し、四魔王子は何事も無かった様に校舎の中に入って行った。
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