9.魔の森サバイバル

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「別行動しましょう」 ギイロが、リアに言った。  リアは、きょとんとする。 「何? どうしたの?」  どうしたの? じゃない、とギイロは思った。  リアと小一時間一緒にいて、ギイロは、リアの情けない所ばかり目にした。  今も、リアたちは、他の生徒とやり合って弱った魔獣を仕留めるつもりの連中より、更に後ろにいた。彼らの残り物にありつこう、という魂胆だ。  志が低すぎる。  自分は、ひどい思い違いをしているのではないか。  リアは、全く魔王に相応しくない。  自分の事を助けてくれたのも、ただのたまたまの、気まぐれではないか。 そう、ギイロは思った。 「じゃ」 そう言って、ギイロは、そっぽを向き歩き出す。 「ギ、ギイロ!?」 リアは、背中に呼び掛ける。だが、ギイロは、振り返りもせず何処かへ行ってしまった。  リアは、ひとり、残された。  魔の森に、ぽつん、と、独り。  ギャッギャッギャッ!  びくうっ! とリアの肩が跳ねた。 「何……?」 リアの腰が引けていた。今までギイロが一緒だったから、怖さを意識しないで済んでいた。 「やばい」  恐怖と危機感で、全身から汗が噴き出す。  心臓が踊る。  足が震える。  動けず、立ち尽くす。    その時。 「グエエエエエ」 地の底から響く様な呻き声が聞こえた。
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