3.魔界学園

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「おい、リア」 急に、グリヴァスに呼ばれた。  グリヴァスは、リアに近づく。  リアを暴行していた取り巻きたちが、さささぁっと黒子の様に退いた。皆、緊迫感のある顔をしている。 ――よっぽどグリヴァスが怖いんだな――  リアの前にグリヴァスが立った。  リアは、緊張の面持ちでグリヴァスを見上げる。対するグリヴァスは、無表情にリアを見下ろしていた。と、グリヴァスが、いきなりリアの腹部を蹴り上げた。 「ぐほおッ!」  勢い良く、リアの身体は吹っ飛ばされた。  地面を擦り、ゴロゴロと転がって、止まった。 「かはっ」  余りの衝撃にまともに息が出来なかった。苦しみに身体をよじらせる。    地べたで呻いている間に、グリヴァスが近寄って来た。倒れているリアの身体を右足で上に向かせると、潰そうとする様にリアの顔を勢いよく踏みつける。 「がはっ!」  鼻に激痛が走った。苦痛に歪んだ口の中に、グリヴァスの靴裏に付いていた砂利が入りこんだ。  リアの頭蓋骨がメキメキと鳴る。痛みと恐怖で、もはや何も考えられない。  頭がぼおっとして気が遠くなった。 ――シ、ヌ……――  リアの早鐘を打つ心臓が、命の危機を知らせていた。
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