epilogue

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 今日はリドとの結婚式。  数刻後には国民の前で盛大にお披露目が予定されている。  そんな中、花嫁の控え室にやってきたリドは新郎としてではなく、メッセンジャーとして用があると言って来た。 「叔父様から、ミフィミアがあの家から引っ越せたなら伝えて欲しい言葉があるって言われていたんだ」  ドゥードゥファンの祠で、わたしが捧げた想いを、きっとお師匠様は知っていただろう。だから、ドゥードゥファンの背中から出るまでは決して伝えないようにとリドに遺していたらしい。  新居でリドはわたしがあの日見つけたティアラをピカピカに磨いてくれていた。これはお師匠様が居なくなる前に、わたしのために遠方の街で作らせた特注品なのだという。 (今のわたしならお師匠様の遺した言葉を受け止められる)  ティアラを被せながら、リドはお師匠様の口調そのままにこう言った。 「”ミフィミア、私の娘。愛しているよ”って」 ーーおわり
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