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(今月は早く薬が出来た)
水晶月のある日、村に下りると、お祭りのように騒がしかった。魔法の花吹雪が舞い、村人達が踊っている。
薬屋の養女が焦ったようにわたしを止めた。
「魔女さま、今は来てはなりません!」
わたしはなんだか胸騒ぎがして、村人達のざわめきの中に隠れた。
「ついに長年、恋人すら作らなかった王が結婚するんだって」
「既に別荘も建ててウハウハらしいな!」
(え......)
ばら撒かれた瓦版に写っていたのは、若い女性と仲睦まじそうに腕を組むリドの姿。
心が悲鳴を上げるように引き裂かれた。私は、もうすっかりリドのことが好きになっていたのだ。
(! しまった)
ドゥードゥファンとの契約印が酷く傷んだ。
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