VII

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VII

 ドゥードゥファンの背中で燃え盛る炎を見て、わたしは失敗したと思った。  わたしの家が燃えていく。  お師匠様との思い出、リドとの思い出。  “ドゥードゥファンに捧げる感情は契約したときと同一の最も強い感情でなければならない” 「あぁ、あぁ......」  わたしの中での一番は、いつだってお師匠様だった。好きで焦がれて愛していて、何よりも優先すべき一番だった。  だからドゥードゥファンの祠で、お師匠様への恋心の一部を捧げた。  ドゥードゥファンは契約を破った者を二度と住まわせることはない。わたしの居場所はこの世界のどこへだってないのだ。
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