VII

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*  雨が降って、焼けた家が鎮火していく。  ここを離れなければドゥードゥファンは契約を破ったわたしを殺すだろう。  しかし、どこにも行き先がない。  “絶対に待っていて欲しい”  口付けを思い出して身体が熱くなる。わたしの恋はやっぱり叶うことがない。 「これ......は?」  崩れた家屋の中から出てきたのは、耐火魔法の掛けられた缶だった。中から出て来たのは一通の手紙と、路銀、ブローチ。そして、美しいティアラの銀細工。
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