VII

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*  手紙によるとお師匠様は私を疎んでなどいなかった。  お師匠様もまた、ドゥードゥファンに最初に捧げた感情よりも他の感情が大きくなってしまったのだという。だから、ここを出ていくしかなかったのだ。  “もし、ドゥードゥファンとの契約が切れてしまったのなら、東にある私の故郷を頼りなさい”  路銀で食い繋ぎ、ブローチで身分を証明しなさいということだった。ティアラについては説明がなく、よく、わからないけれど。  少なくともお師匠様は見通していたのだ。  わたしがドゥードゥファンの背中では一生は暮らせないこと。 (旅に出よう)  ここを出れば、リドとの繋がりはなくなる。  “絶対に待っていて欲しい”  もうこの言葉に価値なんてない。 (さようなら)
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