VII

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 わたしが燃え滓となった家屋から歩き出したとき、わたしを呼び止める声がした。 「ミフィミア!」 「リ......ド......」  会いたかった人はもうすっかりわたしよりも大きくなって、その腕でわたしを抱擁する。わたしは心を鬼にしてその腕を振り払おうとするけれど、全く振り解けない。 「結婚するって」 「うん、そうだよ」  当然のようにリドは笑顔で応えた。 「ミフィミアと。瓦版はデマなんだ。こんなタイミングを狙った訳じゃないんだけど、ミフィミアの一番、僕に変わったんだよね」  酷い自信家だ。まるでわたしがリドの結婚にショックを受けて家を燃やしてしまったのを知っているかのよう。  わたしはショックで悔しくて、強がりを言う。 「リドでは、ありません」 「ううん。俺だよ。ずっと待ってくれてるの、護衛から聞いてたし」  あの薬屋の養女は、徐々に増えた村の移住者は。全てリドの掌の上だったのかもしれない。 「会いに来てくれれば、良かったのに」 「行けない事情があった。でも、これからは一秒だって離れたくない」  リドの目は本気だ。こんな煩わしい気持ちは捨てたい。でも、逃れられない。どちらからとなく、わたし達は唇を合わせた。  一呼吸置いて、リドはわたしを抱き寄せる。 「ミフィミア、一緒の家に引っ越そう」
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