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犬猿の仲
「だから!!光友さんところの約束は、７掛なの!!」
その日、商品部仕入担当主任の吉瀬 温子の叫び声でミーティングが開始した。
「今回だけは５掛け。出来なければ他のメーカーで仕入れろ」
温子の声に対して冷淡な声で答えるのは、調理器具やキッチン周りの雑貨等を販売する『ナチュラルキッチン・ヒュッゲ』で、商品部の部長をしている日浦基一だ。
デンマーク語の“HYGEE”（ヒュッゲ）とはデンマーク人がとても大切にしている、時間の過ごし方や心の持ち方を表す言葉だそうだ。
ほっとくつろげる心地よい時間や空間を提供したいという思いで付けられた。
そして本日は、そのヒュッゲの店舗でキッチングッズフェアを行う際の商品の仕入れについてだ。
しかし二人の仲は、今回のことだけでは無い。
完全なる利益重視の基一と、企業間の付き合いも含めて考える温子は対立する事が多いのだ。
とはいえ、どうあっても企業というものは利益に軍配が上がる。
今日も今日とて、温子は負け戦となった。
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