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宇「……なんで、僕が〈あんなオジさん〉にイケオジって言わなきゃいけないんです??ーーというか、あのオジさんがどんな人か知ってるんですか?
あの人、にんげ……」
耀「……知ってるわよ。あの人が〈どんな人〉なのか。それでも、一緒にいたいの!だって、ーー前世からの約束だもの」
宇「……〈前世〉からの約束だから、という理由で一緒にいるってことなんですか?
それなら、僕が解決方法を探しますからッーー!!」
耀「ふふふッ……」
宇「…………何がおかしいんです?」
耀「アンタ、そんな風に焦るんだなぁって思ってね。何でそこまで焦燥感に駆られているのか知らないけどさぁ……。
心配してくれているなら、ありがとうね」
宇「ーーッ!べ、別に心配していませんよ!!耀さんは、たまに抜けているし。他の十二支に悪影響出たら大変だと思って、言っただけですよ」
耀「それならさ……。何で今、ほっとした顔してるの?ほらぁ〜〜、昔みたいに素直になりなって♬♪」
宇「ちょッ、ちょっと!そんなに、わしゃわしゃと撫でるの止めてくださいよ!!ヘアースタイルが崩れるし。
僕は、犬じゃないんですからッ!!」
耀「ふふんっ!絶対に止めてやんなーい♪アンタは、大人ぶってるより今みたいに表情出してる方が素敵よ!
私の彼氏の次にだけど♪」
(やっだぁ、コイツ。今でも可愛いところあるじゃない!?やっぱり、弟みたいな感じで安心感あるわ〜。
あとは嵐くんみたいに、
「耀さん、眠いので膝枕してくれません?」
って素直に甘えてくれば良いのに……。本当に難儀な性格ね、コイツ)
宇「…………」
(ほんっとに、この人は。ーー鈍感すぎるッッ!!だから、あんな老魔に付け込まれるんだよッ!!でも、今はこの笑顔を見れているのは僕だけだし……まぁ、いっかな)
耀「ほらぁ、そんな不貞腐れた顔しないの。ねぇ、彼氏が作った肉じゃが食べる??」
宇「…………は?え、なんで??」
耀「彼ね、料理を作るの上手なの♡彼に、今日此処へ手伝いに行くって話したら
『そうか、妊婦の身体は負担が大きいからのぅ。よかったら、微力ながらだが……栄養のつくモノを持っていってあげなさい。これなら、夕飯のおかずになるじゃろうて』
ーーって、言ってたから遠慮なく食べてね!!」
宇「…………だから、耀さん。隙だらけなんですよッッ!!」
耀「ちょっ、なにキレてんのッッ!?肉じゃが以外にも、だし巻き卵、ほうれん草のおひたし、鰤の照り焼きとかもあるから大丈夫よ☆
味の保証付きだから安心して!
私が日本に帰って来た時、いつも作ってくれるご飯が本当に美味しいのよ〜〜♡」
宇「ーーーッ、そういう意味じゃないですよッ!あと、頬に手を添えてニヤニヤするの止めて貰って良いですか!?
もう!本当にこの人はいい加減に……」
(あの老魔、絶対にワザとだッーー!でも、僕は諦める気は無いからなッッーー!!)
続く
ーーーーー
耀さんの彼氏が料理を持たせた意味
↓
⚪︎耀の隣を空け渡す気は無いし、お前が入るスペースは無い。
さっさと諦めて、口説くのを止めろ。
二度と、異性として見るな。
という意味です。
それを察した、宇宙でした。
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