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宇「ーーハァ……もう、良いです。ところで、さっき日本に帰ってきた時は、そのオジさんに〈いつもご飯を作ってくれている〉って言ってましたけど……冗談ですよね?」
耀「え?冗談で言ってないわよ?帰国した時、いつも彼の家にお邪魔してるもの」
宇「耀さん。確か、一人暮らし用にアパート借りてるって言ってましたよね?その部屋に帰らないと家賃代が勿体無いじゃないですか」
耀「ん?……あぁ!アレ?去年くらいに風羅ちゃんとリーゼントゴリラが同棲する話しになったから引き渡したわよ」
宇「あ、そうですか……。それだったら、ウィークリーマンションでも借りれば良いじゃないですか。また、イタリアへ出張しに行くんだし」
(そういえば、そんな流れになったな……。直接は聞いてないけど)
耀「私も、そうしようとしたのよ。残っている仕事の処理しなきゃいけなかったし。
でも……、彼が
『帰国するたびにそんなモノに金使うのは勿体無いから、わしのところへ来い』
って言われたの」
宇「……断れば良かったじゃないですか!そんな提案ッ!!」
耀「……え?なに、感情的になってんの?アンタには関係無いことでしょ!?
『衣食住は気にせず、遠慮なくワシの家で仕事に打ち込めば良い』
って言ってくれたのよ。そこまで言われると無碍にできないもの。それに……」
宇「『それに……』、の続きはなんです?耀さん、仮にも貴女は厄除師の当主なんですからね」
(あの老魔、いつの間にそんな同棲みたいな流れに作ったんだ!?こんなことなら、風羅の彼氏の友人に嫌がらせをしている場合じゃなかった)
耀「……なのよ」
宇「え?聞き取れなかったので、もう一度良いですか?」
耀「……快適なのよ。私の好きな和食も作ってくれるし。仕事に集中させてくれる一人部屋も用意してくれるし。
それに……、疲れた時に癒してくれるし(ボソッ)」
宇〈ーーガンッ!〉
(そんな……、頬を染めながら「癒してくれる」って……、どんなことされてるんだ!?
あの老魔、抜け抜けと善人ぶって信頼の外堀を埋めていってるなぁ……。それだったら、僕にだって策はあるッ!!)
耀「ーーと、いうわけだから。私のことは心配しなくて大丈夫だから!今日も、彼の家に行ってお夕飯食べるから問題無いわよ☆」
宇「……僕だって、料理できますよ(嘘)次回から、帰国した時うちに来れば良いじゃないですか!
部屋は空いてますし、食事も出しますし!衣食住の件は、問題ありませんよ!!
これなら、あの妖魔の処へ行く必要性無いですよね!?」
耀「……それだったら、風羅ちゃんの家事の手伝いをしなさいよ。そうしてくれれば、私たち安心して此処へ手伝いに来る必要性が無くなるもの」
宇「…………」
耀「そんなに心配しなくても、本当に大丈夫よ?とりあえず、不貞腐れた表情でジト目してくるの……止めてくれない?」
(この子、精神面の波が激し過ぎて……どうしたら良いの?あとで、彼氏に相談するか……)
〈了〉
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宇宙は、耀さん絡みになるとIQが低くなるようです。
この後のお夕飯のおかずは、妹の自作品しか食べませんでした。
〈彼氏作は、観るのも嫌すぎて風羅にあげた〉
そして別れさせる策を練る、宇宙でした。
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一方。
耀さんは彼ピの家に帰宅し。
彼氏自作のお夕飯に舌鼓し、夜はイチャイチャしましたとさ。
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