曰くつき六つ子の日常円舞曲の、こそッと話〈スター不要〉

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前ページの続きモノです。 耀さんと人間姿のイケオジ彼氏の会話の一部です。 ーーーーーー 耀「ーーと、言うことがあったの。あの子、どうしちゃったのかしらね?」 耀彼「…………さぁ、今の現代人でいうストレスが溜まりすぎての〈鬱〉やないのか?」 (ーーなんや、あの小僧……こちらの意図が分かったんのか?それなら、暫く大人しくなるかもしれんのぅ) 耀「あぁ……。そういえば、あの子さ小説家だったわね……。部屋で篭って仕事し過ぎておかしくなったのかもしれないわね。 私の心配より自分のことを優先すれば良いのに……。 あ!このだし巻き卵、美味し〜い♡昆布の出汁が効いてて〈律さん〉が昔作ってくれた味に似ているッ!!」 耀彼「……なんや、〈リツさん〉って誰や?」 耀「ーーん?律さんは、私が幼い時にお世話になった人よ。実はね、尊敬している人なの! この髪型も、律さんに真似して作ってるのよ♡えへへッ……!」 耀彼「そうか。それなら、近いうちに挨拶せにゃイカンのぅ」 耀「……それは、無理よ。今、海外へ旦那さんと一緒に長期出張〈←厄除師のシゴト〉に行ってるから。 今、人欠だから補助役で行ってるみたい」 耀彼「それなら、仕方ないのぅ……。そのリツさんという恩人は、長期出張ということは……あちらで家庭を持っているのか?」 耀「ううん、この日本よ。六人のお子さんが今住んでるから、時々帰国してるって話しよ。 でも、今でも凄いなぁと思う。 結婚して、子供六人産んでも普通に〈厄除師の〉シゴトしてるからなぁ……。とても真似できないわ」 耀彼「……耀。家庭というのは、一人で切り盛りするもんやない。二人で協力しあっていけば良い。 わしらの場合は、二人だけど二人やない。大丈夫や」 耀「…………そうね」 (その前に、子供ができないことを言わなきゃいけないんだよね……、この人に。幻滅されて捨てられる覚悟をできるまでは、この胸の中に) 耀彼「……もう、ご飯のおかわりは大丈夫か?まだあるから遠慮せんで良いからな、耀」 (子供ができても、できなくても一緒にいる考えなのに……この娘は) 耀「ううん、もう大丈夫!ご馳走様でした!! 今日のお夕飯も美味しかった〜〜♪♪流石ね、仁左衛門さん!! イタリアに帰る前に、持って帰ってきた仕事を終わらせないといけないから。これだけの食器を洗っておくねッ!!」 (ーーダメだ!このままだと涙出そうになるッーー。やっぱり、私は弱い!律さんみたいに強くなれない) この厄除師の世界では。 本家で生まれた人間は、姓を変えてはいけない暗黙ルールがある。 本家 卯ノ月から他の姓を変えるのは、本家の一族を裏切ることになる。 その覚悟は、並大抵の精神ではできないことだ。 風の噂だと。 一族から嫌がらせをされ、生き辛かった日々を送ったと聞いている。 それでもあの人は、ーー神龍時家に嫁いで。 子供を産んで、あの子たちをここまで育てあげた。 (ーー私に、そんな覚悟はあるのだろうか?)
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