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「美味しくて飲み過ぎちゃった、遅くなっちゃったなぁ」 「良かったら、うちに泊まっていく?」  明日は土曜日だから多少遅くなってもいいと思っていたが、話が弾んでしまった。私にとっては嬉しいことだけど夜道を一人で帰すのは心配だ。 「いいんですか、やった!」  こんなに素直に喜ばれたら、下心は隠さないとね。というか、この子は簡単に手なんか出せないわよ。 「どうぞ」  私の部屋にやってきた彼女は驚いてキョロキョロと見回していたけれど、高くて広いだけのマンションだ。今はほぼ寝るためだけの場所だから、広いが故に寂しさが募る。  孤独がこんなに辛いなんて若い頃は知らなかったもの。  だから彼女が借りてきた猫のように静かになったのも居心地が悪いのかと心配したけれど、驚いていただけだと笑ってくれた。  彼女の笑顔は、いつも私を癒してくれる。この日はさらに、一緒のベッドで眠るという最高の癒しを与えてくれた。  翌日は彼とのデートらしく、朝食後に帰ると言っていた。私は早めに起きて愛らしい寝顔を見つめる。  最初はちょっと気になる存在で、仲良くなってあわよくば、なんて思っていたけれど。これはちょっと困ったことになりそうだな、知れば知るほど本気になっていく……いや、もうなってるかも。  少し自制しないといけない、そう思った矢先。  私の体を心配してくれたり、眠れなかったらいつでも呼んでくださいなんて優しいことを言われたら、グラついちゃうじゃない。  それでも、仲良しの友達を演じて彼とのデートへ送り出した私を誰か褒めてほしい。
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