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死を感じさせない列車がやって来て、かささぎ紳士がひとっ飛びで乗り込む。 列車はみだらな汽笛をあげて、腰にくるリズムで発車した。 列車内でかささぎ紳士は、紅茶タバコを吸いかけるが、死を感じさせない列車も禁煙なので、小さく前にならえをすることで、その場を取り繕った。そこへ、可愛いモモンガ顔した女性がかささぎ紳士に尋ねる。
すみません、ツチノコクッキーをお持ちで?
悪いけど、持ってないね。お嬢さん、愛の生き血チョコレートならあるけれど。
かささぎ紳士は首を振ったが、モモンガ顔の女性は開脚ジャンプして喜ぶのだ。
愛の生き血チョコレートを! 分けてください!
かささぎ紳士は女性に件の菓子を握らせた。
ありがとうございました!
女性は列車内の彼方に消えた。
発車から数時間。かささぎ紳士は誰彼かまわず話しかけ、次元の間のおしゃれについてまくし立てていた。
列車は永劫、巡り続ける。
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