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ひげ面の右腕が、彼女に提案する。
黒ビール飲もうぜ、黒ビール!
しかし、彼女は真実よりも乗り気でない。
嫌だよ、ささいな交歓にしようよ。
だが、右腕が折れないので、バーに、熱帯の足取りで向かうことにした。
バーに入るなり、シグナル弾による歓迎。バーでは、ルールは密やかなのだ。店内に流れる音楽は、バーゲン5の代表曲、シークレット・デッドだ。
右腕がまた、提案する。
ソウルミュージックの滴りを感じようぜ!
バーゲン5はソウルミュージックではなく、ノイズロックなのだが、女性は黙っていた。
黒ビールをマスターに頼み、女性自身はテキーラを頼んだ。黙り通すために。
へい、ハーモニーしようぜ!
うんざりである。しかし、テキーラは天の支配より旨かった。酔心地もグルーヴィーだった。悪くはない。
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