2人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
去年の今日、大好きだった人と別れた。
彼はとても紳士的な人だった。優しい人だった。自己犠牲が凄まじい、哀しいまでに愛しい人だった。
私が初めて、愛せた人だった。
そんな彼とは、あっけないほどにすぐに別れてしまった。
理由は単純。遠距離恋愛みたいな器用な恋が、私達にはできなかったから。
恋人なのに離れているなんて、耐えられなかった。
傍にいてくれなきゃ意味がない。私の理想が高すぎるだけかもしれないけど、そう思ってしまう。
だから、私から別れを切り出した。
後悔しているけれど、自然と涙は出なかった。
多分だけど、あまりにも悲しすぎて雫の一つさえ零すのを許してくれなかったんだと考えている。
最初のコメントを投稿しよう!