引っ越し二度目で終始の恋

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 それから間もなくして、私は恋人と過ごした土地から見知らぬ土地へ引っ越した。  よくある両親の仕事の都合というやつで、向こうの生活に慣れるまではかなりの時間を要した。  そんな中でも新しい心の拠り所を作り、普段通りに生活して、何不自由ない日常を送って。  やっとその土地に馴染んできたと思った矢先に、また引っ越しが決まった。  どうやらまた転勤らしく、この土地に残ると言い張っても否応なしに一緒に連れていかされた。  場所は、私がかつて愛しい恋人と過ごした所縁のある土地であった。  この世には神も仏もいないのかと、その時は本気で考えた。いくら考えたって、引っ越し先は私がずっと住み慣れていたはずの場所。恋人と過ごした、私にとってはある意味残酷な場所でもあった。  ……――というのが、ついさっき起こった事の顛末だ。
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