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「また、来ちゃったな……。」
はぁ、と深いため息が一つ。
ここに戻ってくる理由がなかった私にとって、気分は憂鬱だった。
一年しか経っていないからか、全くと言っていいほど変わっていない景色に懐かしさが込み上げてくる。
母さんに散歩してくるという旨を伝え、私は歩き慣れていたはずの土地を踏みしめた。
何ら変わらない、恋人と過ごしたままの風景が視界いっぱいに広がる。
通学路や近所の行きつけのお店、幼い頃に嫌と言うほど遊んだ公園が私の脳内を彩った。
変わっていないという事実に、心臓が苦しくなる。
少しでも違ってくれていたら、きっとここまで苦しくなっていない。一年前のままのこの街の姿に、酷く傷ついた。
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