第一話 初めての留学

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第一話 初めての留学

 今日はよく晴れた日だった。 「行ってきま〜す」  玄関口からリビングに向かって言い玄関を飛び出した。  久しぶりに制服に袖を通した。  それがまた落ち着かない。このゴワゴワした感じが嫌いだった。  うちの高校は可愛い制服で人気が有り入学希望者が多い。  偏差値が高いのもそのせいだ。  あたしはバス待ちの停留場でスカートの裾を持ち上げたり、セーラー服の袖を眺めている。   これのどこがいいの?  私は変わり者かもしれない。可愛ければいいと言う物ではない。機能性があってこそいい。  制服はイベントがある時に着ればいい。  愛美(まなみ)は変わりもんだよねぇ。  友達の口癖だ。  あたしは別段変わっているとは思っていない。世間一般が変わっているのだ。  あたしは自由気ままにいきたい!  そう言う人間だ。  あたしがこの学校を選んだのは制服ではなく留学ができること。その為にひたすら勉強をして来た。  入学してすぐにイギリスに留学した。  待ちに待った留学。  胸が躍った。出発前日は眠れず飛行機の中で熟睡した。そのせいで機内食を食べそびれた。  楽しみにしていたんだけどなぁ。  食べたことはないが、メニューは知っている。  肉か魚か。どちらかを選択する。  beef or fish  と聞いている。  大概の日本人は突然英語で話しかけられて戸惑い確実なbeefを選ぶはずだ。  あたしは流暢な英語で質問をして選びたかった。  留学で失敗した第一号が機内食。次が乗り継ぎの列車で降車駅を乗り過ごし、高額のタクシー代を払わされたのが第二号。  第三号が…  彼氏選びだった。
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