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第二話 出会い
留学先のhigh schoolは有名ではないけど大きかった。
5年制の学校で300人以上在籍している。
science、Physics、mathematics、literature、foreignlanguageの5学科。
各学科に5人から10人でクラスを分ける。少人数制のクラス分けの良いところはフリートークの時間が長いところ。
デスクスタディはつまらない。
会話をしたい!
あたしはとにかく喋りまくった。
第一回目の授業は自己紹介。
ごく普通だ。
自分を知ってもらう。クラスメイトもよく知る。これこそ人たる所以だ。
My name is manami oda.
まずは名前を、そして日本人であること、趣味やこの学校に来た経緯、イギリスで勉強したい趣旨までは良かった。
あたしは話し始めたら止まらない。
日本で住んでいる地域や友達の事、飛行機での失敗談などなど、要らぬことまで喋り、teacherに注意をされてしまった。
自己紹介で30分以上も話していた。
クラスメイトもあたしがどれくらい喋りまくるのかニヤニヤしながら聞いていたらしい。後から聞いて顔が真っ赤になる程恥ずかしい思いをした。
それが功をなして彼氏ができた!
言い忘れたが、あたしは文学科に在籍している。別段文学が好きと言うわけではなく、兎に角話したい。イギリスを知りたかった。
フリートークで話しているうちに、彼と馬が合うことが分かり付き合うことにした。
キャンパス内を歩いて話したり、ファーストフードに行ったり、カフェでも話していた。
思い出にあるのが本の貸し借りをして、彼の思考と共有したかった。
「トム、次は何を読む?」
「今度はマナミの番だよ」
そう言う彼は優しい。
一緒に本屋に行き本を探した。
選んだタイトルは『晴れのち雨』だった。
どこの誰が書いたかよくわからない。有名な著者ではなかった。
しかし、内容は面白かった。没頭した。
彼も没頭し、続本を探したが見つからなかった。
その頃だろうか。
あたしの周りで不思議な現象が起こり始めた。
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