第1章

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「別に俺は。……あなたと一緒だったら、それでいいです」  かといって。そのお言葉はさすがにないだろう。勘違い、してしまいそうになる。 「そ、そうですか。……まぁ、よかったです」  後半は聞こえないように本当に小声でつぶやいた。  そうしていれば、先ほどの女性がお酒を持ってきてくれる。  私は自分のレモンサワーを受け取る。副社長はハイボールらしかった。 「……あと、こんなことを言ってはなんですが。香坂さんに一つお願いが」  彼はハイボールを一口飲んで、意を決したようにそうおっしゃった。……お願い。
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