第2章

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 私たちはそこまで親しいわけじゃない――と思っていると。ふと、お店の扉が開く。  そちらに視線を向けると、そこには丞さんよりも少し年上に見える男の人。 「……丞、早かったな」  その男性は私たちのほうをみて、そう呟く。  多分だけれど、このお人が例の『しーくん』だろう。 「えぇ、まぁ。……センパイは相変わらずマイペースで」 「それは褒めているのか? 貶しているのか?」 「……さぁ」    丞さんが視線を逸らして、そう言う。……絶対に、誤魔化した。誤魔化しにもなっていないと思うけれど。   「真田さんが云々じゃなくて、しーくんが遅いだけだよ。……急に買い出しに行くなんて、有り得ない」 「こいつだからだよ。……ほかの客だったら、さすがにいる」 「それはそれでひどいよ」    これに関しては、雪野さんに完全同意だった。    けど、丞さんの態度を見るに、これは通常運転のようだ。……うん、そうなんだろう。   「ところで、そっちの女性は誰だ? まさか、丞の彼女か……?」 「……いや、そういうわけでは」 「生きてきてろくに彼女も作ったことのない後輩に春が来て、俺は嬉しいよ」
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