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「うん…久し振り……。
(何だろう…何だか気まずい……喧嘩してる訳じゃ無いのに……。)」
そんな事を考えていた時、聖が口を開いて話し掛ける。
「今、穏さんの所に居るんだっけ?
どう?上手くやってる?」
「やってる…聖は?」
聖は特定のアーティストには着かず、フリーで幾つものバンドやミュージシャンのサポートに行っている。
「まぁ、そこそこ。
あちこちから呼ばれては行ってるって、感じ。
これから時間有る?
久し振りに話したいんだけど……」
そう言う聖に、蓮は申し訳なさそうにして答える。
「ごめん…穏さんと、約束が有るから」
「穏さんって言えばさ」
「えっ?」
断った事には触れず、聖は話題を変えて話し掛けて来る。
「上層部の部屋から出て来た時、凄く落ち込んでみたいだったけど…」
「えっ!?何も聞いてない」
「やっぱりか……穏さん、蓮には言えなかったんだ……」
「聖!
何か知ってるの!?」
聖に詰め寄って見詰めて来る。
「知ってるって訳じゃない。
上層部の部屋から出て来た時、書類持ってるのが見えたから、多分…無下にされたんじゃないかと……」
「それで……」
「蓮、穏さんを支えて上げて。
今の穏さんには蓮の優しさが必要だと思うから」
「俺で……力になれるのかな……?」
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