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「あの――前もこういうこと――ないよね。何言ってんだろ、俺」
あったよ。初めて会った日も、同じくらいの時間に同じ服装で、湊君はお店に入ってきたよ。
「どなたかへのプレゼントですか?」
私は、あの日の会話を思い出して言った。
「いえ、自分の部屋用に――もっと植物――花じゃなくて葉の方――とかあったらいいかなって。帰り道、たまたまこのお店があるのに気づいて」
湊君も、あの日と同じような言葉を口にした。もっと、ということは、ドウダンツツジとアボカドはまだ育てているのだろうか。
「こちらはいかがですか?」
残っていたドウダンツヅジの枝をバケツから取って、差し出す。
「……」
手に取った湊君は、確かめるようにしげしげと眺める。どうか、どうか思い出して、湊君。
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