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昔、或る国の或るお城にそれはそれは美しいお姫様が住んでいました。けれども王様は大変困っておいでになりました。何故なら女版変質者とでも申しましょうか、男であれば誰の前であっても胸をはだけてしまう性癖があったのです。しかし、男にとっては喜ばしいことに変わりないですから変質者とは受け取れないもののアブノーマルな趣味に違いありません。随分と危なっかしいもので逆に襲われはしないかと王様は気が気でなりません。幾らおっぱいが自慢でも露出狂がこうも酷くては堪りません。早く何とかしないと本当に大変なことになると心底心配した王様は一計を巡らしました。その結果、我が娘の心の病を直した者に我が娘をやろうとお触れを出しました。
これには民衆の男たちは国挙げてのお祭りのように大いに沸き返りました。お姫様にお目にかかれれば、お姫様のおっぱいを拝めると単純に思ったからです。で、応募が殺到したのですが、誰一人として望みは叶いませんでした。何故ならお姫様は王様立ち会いの下、後ろ手に両手を縛られていたからです。それでもお姫様は男が目の前に現れる度毎に文句を垂れながら胸をはだけようと必死にもがくのです。その様子を焦れったく思い下心ありありで見守る男は勿論、論外ですが、そういう男ばかりなので王様はすっかり失望してしまいました。
そんな中でお姫様の隠れた長所を見出した者がいました。その男は他の男と違ってスケベでなかったのが幸いしたのです。ウグイスも顔負けのお姫様の美声に惹かれ着目したのです。で、歌をお聴かせ下さいと幾つか歌をお披露目させた所、それはそれは見事な歌唱力で、その場に居合わせた者たちを残らずうっとりさせました。このことに一番驚いたのは当の本人のお姫様でした。自分にこんな才能があるなんて!おっぱい以外で男たちを魅了出来るなんて!正に目から鱗が落ちる思いをしたお姫様は、それ以来、歌が大好きになって歌うことに没頭するようになりました。なので王様は歌姫じゃ!歌姫じゃ!と大喜びして約束通り件の男をお姫様の婿に迎え入れたということです。めでたしめでたし。
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