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妻になった女騎士(11)
シュテファニーにローズマリーが声をかけた。
「そうだ…。ファニー、先月…誕生日だったでしょ。あたしとエーファは二人であのバッグ、プレゼントしたけど…ユリしゃんからも、何かプレゼントもらった?」
「え、あ、うん。この…リボンを……」
シュテファニーは自分の後ろの髪を持って、二人へ示した。
エーファ「…それ、相当にいい品だよ」
「え…!コレ、そうにゃの!?」
シュテファニーはヒラヒラしているリボンを触った。
「ど、どうしよ……」
シュテファニーはリボンをつまんで、おどおどしている。
ローズマリー「どうしよ…って、ありがたく使わせてもらえばいいでしょー」
「幸せだね、ファニー」エーファはにっこりした。
「…ぅん」シュテファニーは首を縦に振った。
ローズマリー「…可愛い顔しちゃって。……ファニーは奥様になって、さらに可愛くなった〜〜」
エーファ「……ファニーの性格なら、好きになったら永遠にその相手を好きなんだよ」
シュテファニー「…あ…え…そ…そりは、そーじゃて…。その…えっと…えーっと………」
「あ〜もう、この女……。あたしらの前でいつもいつも、ユリしゃんに抱きついててさ……」
ローズマリーの言葉をさえぎり、ガチャッという音がした。
それから、ガタッガタンという扉を開閉する音が続いた。
「「「!!!」」」
三人の女たちが静かにしていると、「…戻ったよ〜」と若い男の声が聞こえてきた。
「あ…。お帰りになられたわ!」シュテファニーは椅子から立った。
エーファ「…噂をすれば影が差す、と」
「…お〜や、お〜や、愛しの彼のご帰宅ですねーー奥様!」
ローズマリーが冷やかした。
「…いいじゃろにッ…はーーいっ」
シュテファニーは玄関の方へ歩いて行った。
「………ふふふふ」
シュテファニーが行ってから、エーファは笑った。
「…何さ」
ローズマリーがエーファに聞いた。
「けっこう……本音を言ってもらえたな、と思ってね」
エーファはテーブル上の拳銃をポケットへ収めた。
「…ん、うん。そうだね。まー、スッキリしたんじゃない?あの顔みたら、わかるよ。…あははははは」ローズマリーも笑った。
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