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仲良しな二人
「……ねぇ、愛しきユーリんよ……聞きたいことが、あるのじゃけど……」
シュテファニーがぼそぼそ言ったので、ペンを動かしていたユリウスは顔を上げた。
「…はい?」答えたユリウスへシュテファニーが聞いてきた。
「……わ、私…って…そそ、そのその…いい匂い…にゃのかのぅ?」
「…えッ!!!!」大きな声を出したユリウスにシュテファニーはびくっとした。
震えたユリウスが声を出した。
「……だだだ、だ…だ、だれから…そそそ、それれれ、ききき聞いたのぉぉぉッ!!!??」
「ふへっ?……え、エーファと…ローズに…言われたんじゃ…。…二人と飲んどるときに…!?…ユーリ…何をそんなに…怯えておるん……」
シュテファニーの前で震えたままのユリウスは返した。
「……い、いいえぇぇ…。べべべ、別にぃぃぃ……」
「???あにょ、のう、のぅ……その、主殿も…そう、思っておったの…?私のこと…いい匂い、と……」
もじもじするシュテファニーが質問してきた。
ユリウスはペンを置き、神妙な面持ちで告白した。
「……。…ん、ん…………うん。お…思って、たよ…」
「…………。ど…どこが…いい…匂い…なのじゃ?」
シュテファニーはぼそぼそ言う。
「どこって…。どこでも……全体、全身が…いいよ。…初めて会った頃から…僕はそう、感じてた…。ファニーに臭いところはないよ……」
うつむいて白状したユリウスへシュテファニーは顔を真っ赤にして黙ってしまった。
「…!…!…!…!」
「……。あれ?……あ……自分では…わかってなかった?」
「…!…!…!」
ユリウスに小さな声で問われたシュテファニーはこくり、と首を振った。
「……なんていうか…もーう…いいな〜〜…放っておけなくなるじゃないか…」
「あっ……」
立ち上がったユリウスにシュテファニーはぎゅっと抱きしめられた。
「…髪も…いい匂いだし…素肌も…いい匂いだし…」
「…!…むむむ〜む〜〜〜」
「……。僕…女の人とキスしたのは…ファニーが、生まれて初めてだったけど…こんなに女の人の唇って、柔らかくて…こんなにいいんだ…って…驚いた。……今でもしっかりと、覚えてる。…どこであっても…好きだよ……」
ユリウスに頭をなでられ、優しい言葉をかけられたシュテファニーは返した。
「……う…うむ…ありがとぉ…ユーリ……」
「…………恥ずかしい?」
ユリウスはシュテファニーの顔を見つめている。
「だ…だって…知らんかったのね…で、あってぇ…あっ…ぅ…」
シュテファニーはユリウスに口をふさがれ、言葉が途切れてしまった。
ユリウスは口を話してから言った。
「……っ…。そんな顔して…あまりしゃべると…好きで好きで、僕だって、がまんできなくなる。…キスだけじゃ、物足りなくなってくる。静かにしていて……」
「……はい。わ、私の…接吻は…初めの頃よりも、上達したかのぅ…?」
シュテファニーは上目遣いでユリウスを見ている。
「せっぷん?…あ、キスのこと?もともと…上手。僕は…毎日、キスができて…とても満足してる…」
ユリウスは再び、シュテファニーへと口付けした。
「……ん…っ……ッ…」
「……ちょっと、今日の僕は…積極的で珍しいよね。いつもは…ファニーの方が…そう、なのに……」
口を離したユリウスが言うと、シュテファニーが返した。
「い、いうにゃぁ……。す、すすす…す好いておるのじゃ…から…あの、えっと…そのじゃ……」
「……好き…」ユリウスはまた、ぎゅっと抱きしめた。
「はっ…ぁ……ユーリ…………あぁ…うぅぅ、いいっ、いい〜〜…ももも、もっと、抱いとくれぇ……」
シュテファニーが可愛い声を出した。
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