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手と舌で全身余すところなく触れられて幸せだった。身体を舐めるのは獣人にとって最高の愛情表現だが、猫獣人だった母が生きていたときの記憶は遠い。
つぷ、とナージの指がお尻に入ってくる。リュヌは自分の指とは全然違う感覚に驚いた。道具とも違う、節くれだった男の指だ。
内壁を撫で、自分で解すときは触れるのを避けていたしこりをすぐに見つけられてしまう。腹側の少し膨らんだところはリュヌの弱点だから……
「あ!だめ……ふっ。んん……な、ナージ……」
「わかりやすいな。自分で開発したのか?」
「んぁっ。ん、だって……旦那さまのために……」
「あー……これは嬉しいな」
ナージのためと言ったわけでもないのに喜んでいるんだから、変な人だ。的確に快感を引き出されて、頭が芯から溶けてゆく。きもちいい……もっと。
ナージの興奮も高まっているのだろう、リュヌは完全に発情していた。柔らかい棘のあるペニスをナージの腹にすりすり擦り付け、自分で快感を得ようとしてしまう。
「おお、これは凶悪だな。くすぐったいぞリュヌ」
「だって……あっ、ナージぃ……はやく、ナカほしっ……」
「あ゙〜〜〜最高かよ……」
後孔に埋められた指をきゅうと締めつけて、スリと尻尾をナージの腕に巻きつける。甘えるのはリュヌの専売特許だ。
ナージがぎゅっと目を閉じなにかに悶えていたけど、次の瞬間開いた瞳には濃い情欲が浮かんでいた。
ナージはリュヌを仰向けに転がそうとして、少し考えてそのまま横向きにした。自分だけが起き上がり、リュヌの左足を抱え上げる。
頭の中に疑問符が浮かんだが、そのまま屹立を後孔へと充てがってくるのを見て納得した。尾があるから後ろからするのがよいと聞いていたけど、これなら顔も見やすい。
今度は自ら邪魔しないよう、背中側から持ってきた尻尾を胸に抱える。もうほとんど怖くないとはいえ、こうすると安心するのだ。
「くそ、かわいいなそれ……」
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