美人すぎる第四王子は嫁入り前に処女を捨てたい

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「見たことない種族だなぁ……ちょっと触らせて」  ナージの耳は頭の上でなく横に生えていた。しかも毛がなくて、小さい。変だけど、この国にはいろんな獣人がいるから、自分が知らないだけかもしれない。  リュヌが寝転がったまま呼び寄せると、ナージは腰の剣帯を外し覆い被さるように近づいてきた。ベッドサイドのランプが顔を照らす。 「わ。やっぱりかっこいいー……」 「……は?」 「すごく好み。こんな人に抱いてもらえるなんて……すごい記念だ」 「ははっ!それは嬉しいな。俺もリュヌのこと……好みだ」  淡い褐色の肌は日焼けではなくナージ自身の肌の色とみた。それが男らしい顔立ちによく似合っている。  リュヌがぽーっと見惚れていると、顔が近づいてきてふにっと唇同士が当たった。お互いに目を合わせ息で笑う。ナージも嬉しそうだし、なんだか楽しくなってきた。  呼び捨てで名を呼ばれるのは家族以外で初めてだが、まぁいい。好みの見た目同士なら、最高じゃないか。    グレーの瞳は近くで見ても綺麗だった。興奮に色濃くなっているのを感じる。両手を伸ばして耳に触れて、そのまま黒い髪に指を差し込む。リュヌよりも長く肩につく長さの髪は、上半分が括られたハーフアップだ。括っている紐を見えないまま取ろうとすると、意外に繊細な手触りの髪飾りがカシャ、と落ちた。 「あ、なんかついてた?ごめんなさい」 「いい。それより……――抱くぞ」    唇を合わせる瞬間、はっきりと告げられて身体が燃えるように熱くなった。初めてのキスもナージに与えてしまったことに気が付いて、まだ見ぬ婚約者にざまあみろといい気分になる。  二度目のキスは想像していたよりも……身体を高める効果を伴っていた。従順に口内を明け渡すと、分厚く長い舌がリュヌの口の中を余すところなく舐める。   「んっ。……んんぅ……」  息が苦しい。たまにピクッと反応してしまうくらい気持ちいい場所があって、鼻から甘い声が漏れてしまう。  特に顎の裏はリュヌを溶かした。ナージの舌が撫でるだけで、知らない快感に腰が震える。
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