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聞き慣れた声に
振り返ればそこには
息が乱れ汗だくな拓さんがいた。
「大丈夫か?」
「え?あ、私は大丈夫です。」
前屈みになりながら
乱れた呼吸を整え汗を拭う
拓さんの姿に
思わず胸の鼓動がとくんと甘く高鳴った。
「遅いわよ」
「……うるせーよ。こっちは、ここまで全力で走ってきたんだ」
「あ、あの」
どうやら拓さんと
私のことを助けてくれた女性は
知り合いのようで今もなお
私の前で子供のような口喧嘩を繰り返していた。
「彼女は東堂香恵」
「あ、東堂さん」
「俺たち3人は幼馴染ってやつかな。で、ちなみに、香恵は俺の奥さんね」
「……えぇっ!?東堂さん、結婚されてたんですか!?」
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